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ねぎとろ丼

ねぎとろ丼

教授が風呂上がりの小町のセクシーさを検証

 ここは船の中。科学の力で造られた、幻想郷と本来あるべき日本とを行き来できる船の中。
 私は岡崎夢美。若くして物理の分野において教授の資格を頂いた者。
 もうどれだけ前の話か。学会で科学で解明しきれない力を発表して馬鹿にされた。
 私は学会の者達を見返すため、研究のために幻想郷へと旅立ったのだ。
 今私は幻想郷を渦巻く様々な人外の力の種類ついて考察しつつお風呂に浸かっている最中である。
 そのうち疲れてきたので、何も考えずにお風呂で目を瞑った。もう今日は休もう。
 お風呂から上がって、自分の素肌と体型を見て溜息が出る。
 大きいでしょと、人には自慢できるほどではない平たい胸。
 細くしたいのに上手く調整できない腰。
 大きくはないが、小さくもない尻。
 どうして私はこんなにも女性として魅力的になれないんだろう。せめて人並みには整って欲しい。
 思った。幻想郷中でボディラインが一番素晴らしい女性とは一体誰なのだろうか、と。
 くだらないことではあるが、総合的に見て最もセクシーな女性を決めてみるのはおもしろいかもしれない。
 もし答えが出たならば、その女性を目標に立てることが出来るから。
 私は体を拭いて服を着ると、すぐに机に向かった。バカげているが、真面目に論じてみようと思ったから。

 私はまず幻想郷縁起から少女達を参照し、体型のいい者達をピックアップすることにした。
 紅魔館の門番である紅美鈴。白玉楼の亡霊嬢、西行寺幽々子。境界妖怪の八雲紫。その式の八雲藍。
 ワーハクタクの上白沢慧音。月の頭脳、八意永琳。花妖怪、風見幽香。
 三途の川の船頭、小野塚小町。現人神の東風谷早苗。山の神、八坂神奈子。
 これらの人間、妖怪、そうでない者達や神様の中から私は一人を選び抜いてその者について論じようと思う。
 今回選んだのは死神、小野塚小町。豊満なバストを持っていながら引き締まったような細いウエストまで兼ね備えている。
 女性として腹が立つほどのボディラインをしている様なので、彼女を対象に論じてみたい。

 彼女の風呂上り姿を想像して評価する前に彼女自身について触れてみたい。
 彼女の服装は和服を意識しつつ身動きのとりやすい機能的でもあるものである。
 それでいて和服が放つ魅力を損なっていない。袖を切り落としているのも軽快そうで、良さそうである。
 本によると、彼女はとても勢いよくしゃべるという。きっと話すことが好きなのだろう。
 身動きの取れやすそうな服装と、元気一杯そうな彼女とはとてもよく合っていると思う。
 また、彼女の髪型は短めにし、ツーテールの様に赤い髪留めで髪の束を作ってお洒落をしている。
 勝ち気そうな彼女の性格をよく表しているみたいで高得点だ。
 ちなみに、ここでは彼女自身の能力や力には触れないでおく。女性の魅力とはあまり関係がないから。
 幻想郷の力を研究している私としては興味が尽きないが、今ここでは自重しておくという意味も兼ねて。
 では次に彼女がお風呂を出たところのシチュエーションについて、論じていこう。

 面倒くさそうに仕事を終わらせ、同僚と別れた後帰宅する彼女。
 一杯のお茶で休憩した彼女が鼻歌混じりにお湯を張り、湯浴みをして背中を流す。
 自分で自分の肩を叩いて、溜息でもつきながらお湯に浸かる小野塚小町。
 そしてお風呂から上がり、湯気の上がる体をバスタオルで露出した胸の頂上や股間を隠しながら出てくる彼女。
 服装を着ていても十分わかる程の彼女のボディラインが直で見える状況である。
 男性がそそられるでらろうシチュエーションとしてこんなところなのだろうか。
 一人暮らしであるなら、人気を気にせずにタオルで体を隠したいりしないのだろうか。
 服や下着で押さえるものの無くなった状態ならば、どれほどの胸囲があるのだろうか。
 八十はあるのかもしれない。もしかすれば九十を超えるのかもしれない。
 瓢箪型の女性の体型がベストだとか聞いたことがあるので、腰は当たり前のように細いのだろう。
 そしてお尻も胸と同様、男性から見て満足できるような肉脂肪のついたサイズなのだろう。
 ああ、なんて羨ましい体型をしているのだか。
 彼女に対抗しているわけではないのに、無性に腹が立った。
 人ではないが、自分と同じ日本生まれなのに。それなのに彼女の方が体型的に優れているなんて。
 私はここで論理的に彼女の美貌について説明することを、辞めた。 
 どうせ他人を見ても自分までスタイルが良くなるはずがない。
 そんな夢の様な話、あるわけがない。
 私はペンを置いてベッドに向かった。もう休もう。
 こんなくだならい検証さっさと忘れてしまって、明日の研究に脳を使おう。
 私より胸の大きな女性は皆私の実験台にされてしまえばいいのに。
 枕に顔をうずめて考えることをやめた。
 せめて夢の中だけでも乳が大きくなったらいいのに。

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